ドロップルーフでよくある問い合わせとして、かなり古くて使い込んだレインウェアでも撥水性は復活できますか?というご質問を頂きます。
そもそもゴアテックスはどのくらいまで使用できるのか?ゴアテックスの寿命は?という疑問をお持ちする方がいらっしゃるかと思います。
今回はゴアテックスレインウェアの寿命を解説していきます。
ゴアテックスの寿命とは?
ゴアテックスのホームページには下記文章が記載されております。
GORE-TEX® アウターウェアが備える高機能は、GORE-TEX® メンブレン自体に損傷がない限り低下することはありません。しかし、ウェアとして長くご愛用いただくためには、日頃のメンテナンス・ケアが大切です。ウェアの寿命は一概に何年とはいえませんが、ていねいなケアをすれば相当に長期間にわたって着用することができます。
引用元:ゴアテックスジャパンホームページ
通常使用においてゴアテックス自体の経年劣化はほとんど見られません。
ゴアテックス本体は化学的にとても安定で、湿気等を含んだからといって化学分解してボロボロになっていくということはほとんどありません。
むしろ長く使用して穴が開いてしまった等でゴアテックス自体に損傷が見られて、その箇所から漏水するケースがほとんどです。
ほとんどの製品においてゴアテックス自体はナイロン生地に挟み込まれていてゴアテックスがそのまま露出しているケースは少ないです。
これはゴアテックスを保護する目的でもあります。
つまりゴアテックスホームページに「相当に長期間にわたって着用することができます。」と記載があるように、ゴアテックス自体の直接損傷さえ無ければレインウェアとして充分に使用することができます。
ゴアテックスの寿命はメンテナンスが重要になる
さて、ゴアテックスが長きに渡って使用できることが分かりましたが、それには前置きがありましたね。
「ていねいなケアをすれば」という言葉が入っています。さらには文中にも「日頃のメンテナンス・ケアが大切です」と記載されています。
この前提の下に長期間着用できるとされているわけです。
これはどういうことかと言うと、ゴアテックス自体の機能は水を通さない「防水性」と汗を逃がす「透湿性」、この2つを基本的に担っているに過ぎません。
これだけでアウトドアのレインウェアとして必要充分かと言えばそうではありません。
アウトドアのレインウェアとして非常に重要な性能(ないしは機能)として「撥水性」があります。
透湿性は撥水性が保持されていることが前提として機能するものですし、防水性があっても撥水性が無ければレインウェアは重たくなりますし、また身体を冷えやすくしてしまいます。
この重要な「撥水性」、ゴアテックス自体に持たせている訳ではなく、それを挟み込むナイロン生地に持たせています。
表面のナイロン生地はゴアテックスを守るためにも重要な役割をしてくれていますが、その分擦れたりしてゴアテックスの代わりにいくらか磨耗してくれています。
磨耗等の影響により撥水性は少しずつ失われてしまいます。
そこでこの「撥水性」においては定期的なメンテナンスにおいて回復させる必要があるわけです。
撥水性の回復に特化して開発した弾水コーティング
撥水性の回復方法はゴアテックスホームページにも記載されています。
乾燥機を使う方法、アイロンがけを行う方法。このどちらの方法においても抜本的な撥水性回復方法ではなく、今残っている撥水性を回復させる方法といった方が適切です。
失われた撥水有効成分を回復させるには再度撥水剤を付着させる必要があります。
ホームページにはさらに撥水スプレーをかける方法とクリーニング店での撥水加工をおこなう方法も紹介されています。
撥水有効成分を再度付けるにはこのような方法があります。
ただ、以前のコラムで説明したように、これらの方法では撥水成分の定着が不十分で耐久性が出ません。何度も何度も撥水回復処理が必要になってしまいます。
アウトドア使用に耐えられるしっかりとした定着をするために開発した撥水加工が「弾水コーティング」です。
ゴアテックスの失われた撥水性を回復させる最有効な選択
ゴアテックスはメンブレンに損傷が無ければ機能低下は無いと言う様に、ゴアテックスの機能である「防水性」「透湿性」は使い込んだレインウェアでも問題ありません。
残りの「撥水性」を如何にメンテナンス&ケアしながら確保させていくか、又は失われているなら回復させていくかがゴアテックスウェアの寿命のポイントです。
「弾水コーティング」は生地への撥水性の回復を行う加工でありますので、使い込まれたウェアでも問題なく回復させることができます(但し装飾部分で劣化がある部分は加工中に損傷する可能性はございます)。
ぜひ弾水コーティングで撥水性回復を行いながらゴアテックスを大切に着用して下さい。