撥水低下要因に対して適切な対策がある

前回の記事では、撥水性能を低下させる3つの要因を書いたが、今回は低下してしまった撥水性能を元に戻す方法を考えたい。

3つの低下要因があるので、その対策もそれぞれに対して存在する。つまり低下した要因に対して適切な処置が必要なのだ。

①汚れが付着した場合

汚れを除去すれば良い。つまり洗濯をすればよい。

定期的な洗濯が撥水性を維持することに繋がるのもこのためだ。

また、洗濯はシームテープやレインウェアのメンブレンの接着面の化学劣化も防いでくれるので、結果として衣類を長持ちさせる効果もある。

一方で、洗濯することで撥水性の低下を心配する声があるのも知っている。洗濯による撥水性の低下についてはまた別の記事で詳しく記載したいと思うが、次の対処方法も参考になるかもしれない。

②水と馴染んでしまった場合

①を実施した後にトライしたい方法が、今回の方法である。水と馴染んでしまった場合は、水を除去して放置すれば良い。ただし、常温で放置すると時間が掛かってしまうので、加速させる意味で熱を加えるのがポイントだ。乾燥機に入れるのが最も簡単だ。この時、ポイントは衣類が乾燥した状態で熱を加える必要があるのだ。衣類に水が残っていると、その水を蒸発させることにエネルギーが使われてしまって、肝心の加速要因としての熱に使われなくなってしまうからだ。

③摩耗で取れてしまった場合

①も②も試したけどそれでもダメな場合、つまりコーティングが取れてしまっているので、①でも②でも回復しない(厳密に言えば②の対処の方法に限界があるのだが)。

この場合に必要なことは再度コーティングする、つまりRe-DWRを行うことだ。この時注意したい事はDWRには質があるという点だ。DWRに対する質については別の記事で書きたいと思う。どんなDWRでも再加工すればよいと言うわけではなく、質の高いDWRをしてあげなければ、すぐに効果が無くなってしまう。

①~③で記載したように、それぞれの低下要因に対して対処方法が異なる。通常、家庭ではこれらを見分けることができないので、①と②を順番に実施していく。そしてそれでもダメな場合に③を実施する。

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