防水スプレーを振ったら以前より水の弾きが悪くなった。そんなことが実はありえます。
間違った使用法ではないのに、スプレー缶の使用方法通りに処理したのにスプレーする前より悪化してしまう。ここではそんな防水スプレー・撥水スプレーの怖さを記載していきます。
今回使用した防水スプレーの説明
今回使用したスプレーはホームセンターで売っている防水スプレーで、誰もが名前を聞いたことがある有名な防水スプレーを使いました。
スプレー缶の裏側ラベルに使用上の注意として下記が記載してあります。
使えるもの:綿・ウール・ナイロン・ポリエステル等の繊維製品、スキーウェアなど
使えないもの:皮革、毛皮、ビニールやポリウレタン等で加工されたもの、白色のバッグ・靴
今回の試験ではゴアテックスのウェアを試験片に加工したものを使用しております。今回使用したウェアは表面生地がナイロン100%となっており、スプレー缶の使えるものと合致しております。
使い方として以下が記載されております。(下記原文のまま)
①生地の素材を確かめる。②目立たない成分でシミ・白化の無いことを確かめる。③風通しの良いところで15cm以上離して、全体が液ダレせずしっとり濡れる程度にスプレーする。④ニオイが消えるまで20分以上乾燥させる。⑤洗濯後は再度スプレーする。
防水スプレーの効果検証試験
今回試験片を3つ作成しました。
A:未処理品
B:防水スプレー吹付後2時間自然乾燥をした試験片
C:防水スプレー吹付後20分自然乾燥をした試験片
上記を試験片を作成し、水を定量噴霧して、その弾き具合を確認しています。
結果は下記写真をご覧ください。(水噴霧後10分)
結果を見て頂くとAの未処理品は水をよく弾いているにも関わらず、防水スプレーを吹き付けたBやCは濡れたような状況となってしまいとても水を弾いているとは言えません。
追加試験【防水スプレーの撥水性悪化確認】
防水スプレーを吹き付けることで撥水性が悪く出ていましたが、もしかして充分に乾燥されていなかったためか?防水スプレーの吹付量が十分でなかったからか?という疑問もありましたので追試験を行いました。今回用意した試験片は下記となります。
G:防水スプレー吹付後24時間自然乾燥をした試験片
F:Gよりも2倍量防水スプレー吹付後24時間自然乾燥をした試験片
上記を試験片を作成し、水を定量噴霧して、その弾き具合を確認しています。
結果は下記写真をご覧ください。(水噴霧後10分)
今回の追試験品も前回試験のBやCと同様に濡れたような状況となってしまいました。
まとめ【防水スプレーにより水の弾きが悪くなる】
今回の試験により、防水スプレーを吹き付けることで吹き付ける前よりも水の弾きが悪くなってしまう現象があることが実証できました。今回の現象が決して某有名な防水スプレーだけで起こる現象ではなく、基本的にどの防水スプレー・撥水スプレーでも同じ症状となることも確認しています。しかもこのような状況となった場合、洗濯をしても改善されません。家庭レベルでは対処ができなくなってしまうため、もし防水スプレーを吹き付けたのに撥水性が悪いと感じられている方は撥水加工専門サービスでありますドロップルーフまでご相談ください。ドロップルーフではこのような下地を除去して撥水を処理致します。適正な下地処理を行うためにもお申込みの際に、使用年数やこれまで実施してきた撥水処理の経歴をお聞きしております。わかる範囲で構いませんのでご記入いただき申込頂けましたら幸いでございます。
以前のコラム「防水スプレーのメリット・デメリット【防水スプレーは慎重に使う】」にも記載しておりますので、防水スプレーの特性をよく理解した上でご利用を判断してください。