レインウェアはメンテナンスが必須【ゴアテックスの手入れは重要】

レインウェアやスキーウェアなどの防水・撥水機能はアウトドアウェアの最重要昨日です。また、ゴアテックスに代表されるように高品質ウェアは透湿機能なども加わり、雨でも不快感を大幅に軽減してくれます。但し高品質ウェアもメンテナンスをしてこその高品質を発揮できるのです。ここでは高品質ウェア(ゴアテックスウェア等)に潜むメンテナンス(手入れ)の重要性を解説していきます。

まずはレインウェアの機能を知ろう【ゴアテックスウェアの機能】

まずはゴアテックスレインウェアを理解しましょう。大きく分けて3つあります。まずはレインウェアであるので防水機能があります。防水機能とは高い圧力が加わっても水を通さない機能です。強い雨に長く打たれても水が浸水してこないのはこのおかげです。次に防風機能があります。レインウェアを雨具として使うよりもウィンドブレーカーとして使う方も多いのではないでしょうか。アウトドアウェアとして風から身を守ることも大変重要な役割です。最後に透湿機能があります。防水・防風機能を持ちながら透湿機能を持っている点がゴアテックスウェアの最大の魅力であります。これはレインウェア内の蒸れをウェア外に出してくれるという機能です。水滴は通さないけど水蒸気は通すことができますということで成り立つ機能であり、またその防水機能・防風機能・透湿機能がそれぞれバランスよく高いレベルで達成しているゴアテックスウェアはとても優秀なウェアなため高価となっています。

ここではゴアテックスを名指しで表記しましたが、他メーカーで開発している透湿性素材も多くは基本部分の原理・素材は同じです。メンブレンと呼ばれているつまりゴアテックスの本体に当たる部分ですが、その密度(や厚み)を薄くして防水性を弱くする代わりに透湿性を上げるなど(例えば冬ウェアは防水性能を上げるより透湿性を上げた方が良かったりする)各社が狙いとする性能で違いが出ていると考えると分かりやすいと思います。

どうしてメンテナンスをしないといけないの?【ゴアテックスウェアの盲点】

ゴアテックスウェアは前述したように非常に優れた機能を持っています。ゴアテックスメーカー曰く、その高機能はゴアテックスのメンブレン(つまりはゴアテックス本体です)自体に損傷がない限り低下しないと表現しております。確かにその通りゴアテックスの素材そのものは経年劣化には強い素材となっていて、数十年使用していても穴や破れが無ければゴアテックスのメンブレンそのものの性能は落ちてないと思われます。ただし、ここが非常に重要なのですが、私たちはゴアテックスのメンブレンそのものを着用しているわけではないのです。多くのレインウェアはゴアテックスのメンブレンとナイロン生地で構成されており、それを着用しています。ゴアテックスが経年劣化しなくても相方のナイロン生地が経年劣化すればゴアテックスのパフォーマンスは生かせません。これがメンテナンスをしなければならない理由です。

メンテナンスをしないとどうなるの?【ゴアテックスウェアの弱点】

ゴアテックスはゴアテックスのメンブレンとナイロン生地で構成されていると解説しました。せっかくのゴアテックスの高機能もメンブレンまではその機能が備わっていても合わせられているナイロン生地が阻害するということがメンテナンスをしないと生じてしまいます。

その代表例が透湿性です。ゴアテックスのメンブレンまでは水蒸気を透過させたとしてもナイロン生地が水蒸気を透過しない状態であれば結局透湿性が発揮できません(そもそもナイロン生地が水蒸気を通さない状態となっている場合はゴアテックスのメンブレンも水蒸気を透過させる運動が起こりません)。ゴアテックスの透湿性の性能は表面に阻害が無い場合での性能であるため、表面に障害があれば話が変わってきてしまいます。とくに起こりやすい状態はナイロン生地が水を保水してしまう状況です。要はレインウェアの表面に水が染みた状態になることです。この状態ではゴアテックスのメンブレンがあるため、水は透過させずレインウェアとして身体を濡らさないという機能は保っているのですが、体内の湿気を外に出すという機能は期待できません。

ナイロンが保水する(レインウェアの表面が染みる)ことのデメリットとして、重みと冷えがあります。重みに関しては水を保水しただけウェアは重くなります。ゴアテックス自体はほぼ水を保水しないのですが、ナイロン生地の繊維と繊維の間に水を保水してしまいます。ウェアが重たくなった分、疲労に繋がることが容易に想像できます。
冷えに関しては深刻だと考えています。水は空気よりも温度を伝えやすい物質です。レインウェアの表面に水が染みた状態になるとウェアが身体に接触した際に熱を外部に伝えてしまい身体の熱が逃げやすくなります。また身体から伝わった熱を使ってウェアの水が蒸発することで、蒸発熱を奪われてしまい冷えやすくなります。身体直接濡れて寒いという状況にはならなくとも濡れた状態に近い状態となってしまいます。

ごれらレインウェアの濡れによる重みや冷えも、ゴアテックスのメンブレン自体は決して機能低下しているわけではなく、外的環境が変わる(合わさって使用されるナイロンの状況が変わる)ことで起こってしまうのです。ゴアテックスそのものは悪くなくてもそれに合わさるナイロンも理想状態にしておかなければなりません。そのためには、レインウェアの表面は撥水(水が染みこまずコロコロと弾く状態)されていることが必要です。

メンテナンスをすることで機能を維持できる【撥水性維持の限界】

レインウェアを購入したばかりの時は水がコロコロと弾いていたのにいつの間にか弾かなくなったという経験は多くの人が体験していることでしょう。ずっとコロコロしている状況が続けばいいのにと思った方もいることでしょう。ウェアに施す撥水に関しては、撥水状態を何年も持たせることは現状の技術では無理です(但し全く使用していないウェアであれば撥水性を保持できます)。ただ、人が着用できないようなガチガチのウェアにしていいというならばやりようは出てきます。ウェアとして問題なく着用するためには柔らかさを出すことが必要で、撥水性を維持させという観点からは相反する目的でもあります。現状の技術ではウェアに実使用に耐えうる半永久的な撥水性を付与することは出来ていません。そのため、撥水性を保つためには維持・メンテナンスをすることが必要になります。いずれ科学技術が進歩することでノーメンテのレインウェアができるかもしれませんが、今はレインウェアにはメンテナンスが必須であると考えるべきでしょう。

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