「気の毒でしようがない」。連日報じられる余震のニュースを見ながら、ほとんどの人たちがそう感じたことでしょう。ほかでもない、「熊本地震(2016年)」です。
未曾有(みぞう)の天災は、つねに私たちに大きな「教訓」を残してくれます。今回、筆者の胸に深く刻まれたのは、家族の人数に応じたテントやシュラフの必要性です。
いきなり震度7の激しい揺れに襲われたのが、4月の14日の夜。さらに、その30時間後、再び震度7の強い揺れに襲われるという、前代未聞の事態。しかも、それからひと月以上にわたって、震度1以上の地震が1400回以上も起きたし、6月1日現在でも小刻みに揺れつづけているというから、これはもう想像を絶します。
一般住宅を含むすべての建物は、幸いにして全壊をまぬがれても、かなりのダメージを受けているはずです。そのため、最大18万人いたという避難者のうち、多くの人たちがクルマでの生活を強いられました。避難所に入りきれない人が続出した結果です。
そこで問題になったのは「エコノミークラス症候群」。5月中旬の時点で、51名が発症し、死者まで出たというから深刻です。
一方、たくさんの人たちが、公園や駐車場、校庭などにテントを張り、家族が雨露をしのいでいる姿も連日のように報道されました。
たしかに、日本は雨の国。シュラフだけだと、心もとないし、だいいちプライバシー保護の点からいっても、論外でしょう。それに、床に敷くマットやシュラフカバーもあれば、なかなか快適なはずです。
日ごろから、これらの非常グッズ=アウトドアグッズの使い勝手に慣れておくためにも、キャンプライフを経験しておくことは、全国民にとって必須かもしれない。また、これらグッズの「撥水性」のよしあしは、いつか来るかもしれない「避難生活」の快適性を左右する大きな要素だと、強く思ったしだいです。
(写真は、地震の4日後、熊本・益城町に開設された「モンベル南阿蘇店前テント村」)