【ゴアテックスの保管】シームテープ剥がれやメンブレン剥がれは保管が主原因

ゴアテックスを適切に保管することは、ゴアテックスウェアを永く良い状態で使用するうえで重要な事です。
ゴアテックスウェアはとてもタフに作られていますが、一般衣類と比べてその特殊な構造上、適切に保管できてないと、致命的な不具合が起こり、防水性や防水性などの機能を失ってしまいます。
ここではゴアテックスウェアの保管を適切に行うことで、より良い状態を永く保つコツをご紹介していきたいと思います。

ゴアテックスで起こる不具合

メンブレンと生地の剥離

ゴアテックスは基本的に3層構造によってできており、ゴアテックスの本体となるメンブレンは生地と生地によって挟み込まれています。このゴアテックスの構造に関する詳しい解説は別記事にて解説しています。
ゴアテックスのメンブレンと生地は接着樹脂により強固に接着されています。そのため、簡単には剥がれることはありません。ただし、樹脂は時間の経過とともに劣化してしまいます。
そして劣化した結果おこる不具合が、生地とメンブレンの剥離が発生します。
メンブレンが剥離してしまうと、見た目が大変悪くなります。
この剥離の加速要因は保管方法のため、適切な保管を行うことが、ゴアテックスウェアを良い状態に保つことができます。

シームテープの剥離

次に、一般衣類とは異なり、ゴアテックスは防水性を保つことが必要です。この防水性を保つために縫い目の部分はシームテープと呼ばれる防水テープを貼っています。このシームテープは接着樹脂によりゴアテックスの生地に貼り付けています。接着樹脂は時間の経過とともに劣化します。その結果シームテープが剥がれてしまう不具合が起こります。
シームテープが剥離すると防水性が保てません。縫い目から水が浸入することになるでしょう。
シームテープの剥離を加速させる要因も保管方法です。

ゴアテックスの性能は変化しない

ゴアテックスの性能は永久だとメーカーが謡っていたことがあります。しかしこれは少し誤解しやすい表現です。確かにゴアテックスのメンブレン自体は時間が経ってもほとんど劣化せず、私たち寿命のレベルでは性能は劣化しません。そのため永久だと謡っていたのですが、実際はゴアテックスのメンブレンだけでゴアテックスのジャケットが構成できているわけではないため、先ほどの接着樹脂の劣化による剥離などもゴアテックスの本来の性能が出せなくなるため、これも破損と言えるでしょう。
結論として、ゴアテックスのメンブレンは性能は変化しませんが、ゴアテックスのウェアは使用や保管の状況によって劣化してしまいます。

撥水性能は低下しない

余談として、ゴアテックスウェアに施される耐久撥水性も時間の経過とともに劣化するという人がいますが、これは間違っています。適切に保管している状況であれば撥水性能は低下しません。撥水性能が低下するのは、汚れの付着や使用によるストレスで低下します。

 

ゴアテックスの保管方法

保管については、日常の保管とシーズンオフの保管の2つの状況が考えられると思います。

日常の保管

販売されているウェアに、スタッフバッグが付いている場合があります。よくスタッフバッグに入れっぱなしにしている人がいますが、このような保管は避けましょう。スタッフバッグはあくまで持ち運びの際に入れる収納袋です。
日常の保管は特に神経質にならなくて良いですが、折りたたんだ状態ではなく、ハンガー掛けして保管しておくことだけ意識しましょう。

シーズンオフの保管

ゴアテックスに不具合を起こさないためにはシーズンオフの保管が重要です。ザックの中に入れっぱなしという状況はよくありません。
またドローコードやベルクロで絞られていたりすると、シワがクセついてしまうので、長期保管前は気にしておきましょう。同じ意味で畳んでの保管も避けたいところです。
シーズンが終わった後の長期保管時は汚れを除去してから保管するのがポイントです。
メンブレンの剥離、シームテープの剥離などの致命的な損傷を起こさないようにするためにも、洗濯やクリーニングを行ってからの保管をしましょう。
ここでも大切なのは空気の対流です。長期保管であっても、できる限り風通しの良い場所で保管できるとより一層良い状態が保ちやすいので、意識してみてください。

まとめ

今回は具体的な保管方法だけでなく、保管方法の重要性、そして保管の状態によってどんな不具合が起こるかを解説していきました。
シーズンオフではプロによるメンテナンスを行うというのも一つの手段として検討してみてください。詳しくは私たちのウェブサイトからお問い合わせください。

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