撥水性の耐久力を評価する指標として最もよく目にするものが洗濯耐久性試験です。
撥水性評価で行う洗濯耐久性試験とは、洗濯を繰返し実施した後に、撥水性を評価するものであります。
染料の耐久性を確認するために洗濯耐久試験を実施することがあり、それらを応用して、撥水性の評価を行っています。
★洗濯耐久試験はどう行われるか?
ここで注意したいのはどのように洗濯が行われているかが重要です。
実はJISに洗濯方法が定められております。
このJISで定められている洗濯方法はクリーニング店で実施されるような洗濯が想定されており、当然家庭で行う洗濯より厳しい洗濯がされます。家庭用洗濯機での繰返し洗濯を行った場合、優しい洗濯になってしまいますし、まずなにより洗濯される条件が機械によって差が出てしまいます。
今回は、JISL-0217-105に定められている方法にて繰返し洗濯を行った際の結果を示します。
今回試験片はナイロン100%の試験布を用い、防水スプレー代表としてスコッチガードと、アウトドア撥水剤代表としてニクワックスをそれぞれ処方通り行ったものと弾水コーティングを施したものを用意し、繰返し洗濯を行ったあと、JISL-1092によるスプレーテストにて撥水評価を行ったものを示します。(試験は東京都立産業技術研究センターにて実施)
★撥水剤が「接着する」弾水コーティング
防水スプレーもアウトドア専用撥水剤も、どちらも生地への接着が不十分であるため、撥水の耐久性は望めません。生地に付着しているという程度しか撥水剤が乗っていないため、洗濯と共に剥がれていきます。
一方、弾水コーティングは生地にしっかり接着します。付着する前述の方法とは違うため、その耐久性も明らかに差が出ます。
洗濯30回でも90点という高いレベルの撥水性を保持します。
弾水コーティングはアウトドアに求められる撥水の高耐久性の達成を目標としているため、ここまでの撥水性を成し得ることができます。