撥水性が良いことで、最も嬉しい恩恵はウェア自体が軽量に保たれることです。
水自体は重たいものです。
どんなに軽量化してもウェアが水を含んでしまえば、そんな軽量化分を簡単に消し去ってしまいます。
さて、ここで簡単な試験を行いました。
生地が吸込む水で重さが変わる
①ナイロン試験片に各撥水剤を処理したものを準備します。
②その試験片を12日間、水に浸漬させておきました。
③浸漬させた試験片を平干し乾燥させます。
④上記③試験片を10秒間水に浸し、取り出したあとすぐの重量を測定する。
今回比較として使用した撥水剤は4種類、市販されている撥水剤スプレー2種とアウトドア専用撥水剤2種と比較しました。
比較結果は下記となります。()内は初期重量との差。
①市販撥水スプレーA 12.4g (+5.0g)
②市販撥水スプレーB 12.4g (+5.0g)
③アウトドア専用撥水剤A 12.3g (+4.9g)
④アウトドア専用撥水剤B 11.8g (+4.4g)
⑤弾水コーティング 10.9g (+3.5g)
⑥未処理 12.4g (+5.0g)
初期の撥水はどれも撥水をしていましたが、12日間もの長期に浸漬させておくと、市販撥水スプレーは撥水力が全く認められない状態となってしまいます。アウトドア専用撥水剤も目視で撥水性がほとんど無くなってしまっている状態です。
これら市販撥水スプレーやアウトドア撥水剤に比べて弾水コーティングは水を含みにくくなっている分、重量が抑えられております。さすがに12日間浸けておいてあっただけに重量は増しておりますが、見た目は撥水しており、繊維の奥では水を含んでますが表面部分はすぐに乾いてしまいます。
濡れた後の乾燥が早いことも撥水性の利点です。時間経過による重量変化もいずれ測定していきたいと思います。