レインウェアの撥水性はどのくらい持続できるのか?

私たちは既に日本でDWR加工サービスを実施しています。

その中で一番聞かれる質問が撥水性がどれくらい持続しますか?という質問です。

技術者としてはなかなか答えにくい質問です。

なぜならば、撥水性能は芳香剤のように少しずつ減っていくという性質のものではないからです。

撥水加工されたレインウェアをクローゼットに保管しておいて、撥水性が低下することはありません。

撥水性能が低下するのは、あくまで使用された際、もしくは洗濯の時にだけ低下します。

そのため、あなた次第だと伝えざるを得ないのが技術者としての正直な感想なのです。

さすがに「あなた次第だ」だけでは、無責任なので、他の撥水加工との比較で示しています。

例えば一般的な防水スプレーに対して、このような試験をすると何倍の持続性を持ちますといった具合です。

使用によってレインウェアの撥水が低下すると書きましたが、その要因も大きく3つに分かれます。

それが①汚れの付着による低下、②水と馴染むことによる低下、③摩耗による低下です。

要因が違えば、それぞれの対策が異なってきます。それは別の機会に解説したいと思います。

PFASフリーで変わる撥水持続性

ここ数年でフッ素を使わない撥水に切り替わってきました。そのため、新しいレインウェアを購入したのに、以前より水の弾きが悪くなったと感じるかもしれません。もしくはすぐに撥水性能が低下してしまうと感じるかもしれません。

これらはPFASフリー化、つまりフッ素を使わない撥水に切り替わって生じている問題です。

フッ素を使ったか使ってないかだけで性能は大きく異なってしまいます。

残念ながら水の弾く力も撥水の持続性も低下してしまいました。

これは化学的な原理によるものです。

撥水を維持するためには?

ではPFASフリーになって、撥水持続力が低下して、私たちはどうすることもできないのでしょうか?

いや、私たちにもまだできることはあります。

ひとつめは、現在PFASフリーでの撥水力向上、そして撥水持続力の向上を目指して、私たちを含めて今も世界中で研究開発がされています。より良い技術が開発されるのは時間が掛かります。辛抱強く待ってほしいです。

ふたつめは、ユーザー側が定期的にDWR処理をすることで、より良い状態を保つことです。

現在のPFASフリーのDWR処理は、ユーザーの努力も必要となります。定期的なケアを心掛けてください。

まとめ

レインウェアの撥水性能はどれくらい持続するのかという質問に対しての答えは、使用状況に寄ってしまうというのが正しい答えになります。

それと同時に私たちはPFASフリー化に伴い、撥水性能を維持する努力が必要になりました。そして、よりしっかりと弾く撥水や、より持続する撥水性能を開発している最中であることも覚えておいてください。

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