ゴアテックスの正しい洗い方ー自分で行うメンテナンスのよくある失敗ー

ゴアテックスは防水性と透湿性に優れた素材であり、多くのアウトドアウェアに使用されています。しかし、適切なケアを怠るとその性能が損なわれることがあります。今回は、ゴアテックス製品の洗濯に関してよくある失敗やトラブル事例と、その原因、そしてそれらを防ぐための対策について詳しく解説します。

1. 汚れが落ちない

問題: ゴアテックス製品に付着したシミや汚れが、洗濯してもなかなか落ちないという悩みがよくあります。特に、首回りや袖周りの汚れは頑固です。

原因: 多くの人は、ゴアテックス製品の洗濯に、NIKWAXやGrangersといったアウトドア専用洗剤を使用します。これらの洗剤は、防水性を損なわないように配慮されたマイルドな洗浄力を持っています。しかし、洗浄力がマイルドであるために、一般洗剤に比べて汚れ落ちが劣ることがあります。

対策: 洗濯の前に前処理を行うことが重要です。特に汚れが目立つ部分には洗剤を染み込ませて揉み、繊維の汚れと馴染ませます。この際、一般洗剤を少量使用しても構いませんが、洗剤の量に注意してください。過剰に使用すると、防水性を損なうなど、逆効果になることがあります。

2. 汚れをしっかり落とさず撥水処理をする

問題: 汚れを十分に落とさずに撥水処理を行うと、撥水効果は低下し、汚れも定着しやすくなります。

原因: 撥水処理は生地にコーティングを施す作業です。汚れた状態でコーティングすると、コーティングの品質が悪くなるだけでなく、その汚れが覆われてしまい、汚れを落とすのがさらに難しくなります。

対策: 撥水処理を行う前に、必ず汚れをしっかりと落とすことが基本です。特に、長期間汚れが蓄積されると定着してしまうため、定期的に洗濯することが重要。見た目に汚れていなくても、目に見えない皮脂汚れが蓄積することがありますので、定期的に洗濯を行いましょう。

3. 撥水性能が回復しない

問題: 洗濯して撥水処理を行ったにもかかわらず、期待したほど効果が回復しなかったという声をよく聞きます。

原因: この問題の原因は多岐にわたります。洗剤の選択ミス、すすぎ不足、香水や消臭剤の影響、市販の撥水剤のミスマッチなどが考えられます。

洗剤の選択ミス:洗剤は撥水性能に影響を与えるため、アウトドア用の洗剤を使用するのが最も望ましいです。
すすぎ不足: 洗剤が残ると撥水処理に影響を与えます。アウトドア専用洗剤はすすぎ性が良いため、十分にすすいでも残りにくいです。
香水、消臭剤の影響: 普段から香水や消臭剤、防水スプレーを使用している場合、これらの影響が出ることがあります。
撥水剤のミスマッチ: 市販の撥水剤は家庭で簡単に処理できるように開発されているため、性能が犠牲になっていることがあります。

対策: 撥水性能に満足できない場合、その原因は複雑であるため、DIYでの対応は困難です。プロの撥水処理専門店に任せるのが最も確実です。ドロップルーフでは、撥水処理について多くのノウハウを持ち、前処理を徹底して行うため、撥水処理の効果を最大限に引き出すことができます。

4. 撥水剤のシミができてしまう

問題: 自分で撥水処理を行った際に、撥水剤のシミができることがあります。

原因: 撥水剤を過剰に使用したためです。多く使えば使うほど効果が高まると考えるのは誤りです。

対策: 撥水剤の使用量を守ることが重要です。パッケージに記載されている使用量を厳守し、過剰に使用しないように注意しましょう。シミができた場合、DIYでの対応は困難です。プロに相談して対処しましょう。

5. シームテープが剥がれてしまう

問題: ゴアテックス製品の縫い目には、縫い目部分を保護するためのシームテープが貼られており、防水性を保っています。しかし、これが剥がれてしまうことがあります。

原因: シームテープの接着面は経年劣化するため、時間が経つと剥がれることがあります。また、高温多湿な環境で保管すると劣化が進みます。

対策: シームテープの剥がれを防ぐためには、適切な保管が重要です。高温多湿を避け、空気の循環が良い場所で保管しましょう。剥がれた場合は、プロに相談してシームテープを張り替えてもらいましょう。ドロップルーフでは、シームテープのメンテナンスに適した機材を保有しているため、高い品質の修復が可能です。