防水スプレーや市販の撥水剤を使ったDWRが満足できない方へ

ゴアテックスジャケットなど高価なアウトドアジャケットを購入して、そのケア方法に悩んだ経験がある方に向けて、私たちアウトドアメンテナンスのプロフェッショナルからみた、気づきや勘違いなどをお伝えする記事になれば幸いです。

まずは基礎知識。低下するのは防水ではなくDWR性能

まずは勘違いしやすいポイントとして防水と撥水の違いです。よくゴアテックスウェアの防水性が低下したと言われる方がいますが、ほとんどの場合、防水性の低下ではなく、これらは撥水性を意味していることが多いです。

簡単に言えば、水玉にならず生地へ水が染み込んでいるのは撥水性の低下によるものです。一方で、生地を通過してジャケット内部が濡れるようになると防水性が無くなったもしくは低下したと言えます。

まずは洗濯や熱処理で撥水性能が回復しないか確認しよう

それでは水の弾きが無くなり、生地へ水が染み込んでしまった場合どうすればいいのでしょうか。

水の弾きを回復するには3つの方法があり、まずは簡単な方法から試していきます。

方法①洗濯をして汚れを取る

撥水性能は生地表面の科学的な力によって発揮しますので、そこに汚れが介在してしまうと撥水性能は発揮できません。洗濯により表面をきれいにすることは撥水性能を良くするだけでなく、ゴアテックスジャケットなどの透湿性向上にもつながります。

方法②熱を加える

方法①で洗濯をして乾燥させたのち、水の弾きが悪い場合は今度はジャケットに熱を加えます。これは①で洗って乾燥させた後、水気が完全になくなってから行うことが望ましいです。なぜなら乾燥が十分でないと、水分の蒸発にエネルギーが奪われてしまうからです。

しっかりと乾いたレインジャケットを乾燥機で20分ほど乾燥させると良いでしょう。

方法③再撥水処理をする

方法②で熱を加えても水の弾きが悪い場合は、再撥水処理を行う必要があります。残念ながら撥水の有効成分がジャケットから剥がれ落ちている場合は、洗濯をしても熱を加えても撥水性能は回復しません。それでもまずは方法①と方法②を先に実施してみて、それでもダメであれば方法③を実施するという流れがお勧めです。

一般的な再撥水処理としては防水スプレーや市販の撥水剤を思い浮かべる方が多いかと思います。しかしながらそれらを使用する際に注意しなければならないことを次のトピックスで説明します。

防水スプレーや市販の撥水剤は家庭向け

しかしながら方法③まで処理したものの満足に撥水が回復できなかったという経験をされる方もいます。決して撥水剤の処理の仕方が間違っているとか十分に撥水剤を混ぜなかったというわけではなく、説明書通りに処理したにもかかわらずです。

これには原因があります。

そもそも、防水スプレーや市販の撥水剤は家庭用にカスタマイズされた物だからです。

別の言い方をすれば、生産されているアウトドアジャケットに施されている撥水処理は防水スプレーや市販の撥水剤やその処理工程とは少し異なります。業務用、家庭用で性能が異なる製品も多いかと思いますが、それらと同じイメージを持って頂ければ分かりやすいと思います。

つまり、防水スプレーや市販の撥水剤では性能に限界があり、販売されているジャケットと同じ性能を求めても難しいです。

より強い撥水性能を求めるなら

しかしながら、より高みを求める登山家やアウトドア愛好家にとっては不満です。そこで私たちはどうやったら本来の撥水性能を取り戻せるのかを研究しました。幸い私たちの創業事業はアウトドア用品のレンタル業であったため、繰り返し使用した結果撥水力を失ったゴアテックスウェアをたくさん所有していました。それらを使い、たくさんの失敗をしながら研究を続けた結果、撥水力を回復させるための要素に気付くことができ、私たちはブラッシュアップして弾水コーティングという技術に仕上げることができました。

一般の撥水処理とは異なり、性能を追い求めて開発した技術です。そのため、処理に時間もかかりますし、それだけコストもかかります。それでも性能を求めたいと考えているアウトドア愛好家に届けていきたいと思い開発しました。

まとめ

もし防水スプレーや市販の撥水剤でその性能満足が行かない場合は私たちに相談ください。

それには理由があり、私たちはその理由を解決する技術を持っています。そして世界中の困っているアウトドアユーザーに私たちの技術を届けていき、結果としてサスティナビリティに貢献できれば嬉しいです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加