水の弾きが良いことと水弾きが持続することは違う

水の弾きが良いことと水弾きが持続することは違う

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クリーニング店に撥水加工を出した際や自分で撥水剤や防水スプレーによって撥水処理をした際に、水の弾きが回復して嬉しくなると思います。撥水処理をした際にその水の弾き方が良くなっていることと、撥水状態が長く続くことは実は別物なのです。ここでは撥水の持続性というものを考えていくコラムです。

 

撥水が良い・撥水が悪い【撥水力の評価】

 まず撥水が良い悪いをどうやって評価するのか考えていきましょう。撥水の良し悪しを皆さんはどう評価していますか?水がコロコロとして生地表面を滑るような状態であれば撥水が良くて、水がべちゃっと広がるような状態になれば撥水が悪いと感じていると思います。基本的にはそれでOKです。ただ、どれくらいの水を付着させたか、表面生地の水の滑り方をどう判断するかがやや曖昧になってしまうためこれらの方法を統一した試験規格があります。生地への水の残り方、弾かずに生地へ染み込んでしまう具合を5段階で評価するものです。ほとんどの撥水性評価はこの試験によって行われています。 他に撥水性を評価する指標は無いかと言われれば、あります。水がべちゃっと広がるほど撥水が悪いと感じると思いますのでその水の広がり方(逆に表現すれば水玉の具合)にて評価する方法です。この方法は試験方法が前述の試験と比べると難しいため、この試験方法で評価した撥水指標を表示している服などは見たことはありません。 それでも撥水の良し悪しは統一された試験にて評価することが可能です。

 

撥水が持続する・撥水がなくなってしまう【撥水持続力の評価】

 次は撥水の持続性に関してどう評価するのでしょうか。皆さんならどのように評価しますか。 例えば一年ほど着用したウェアが雨に降られてもまだ撥水しているとか、撥水がしなくなっているとかそのような判断ではないでしょうか?このような評価では1年着用したウェアというのは年何回着ているのかとか、どのような着用方法をしたのか等、不安定要因が多いです。例えばどのような環境にさらされたか、雨風はどのように当たったのか定量的に評価する必要があります。
実は撥水持続力を評価する指標は現状ありません。現状、苦肉の策として洗濯を何回か行った後の撥水力を評価する形で撥水持続力を評価する形を行っています。でも、洗濯を何回も行った時の撥水力が必要なのではなく実使用環境にて酷使された際でも耐えうる撥水力が欲しいはずです。現時点ではそれらのニーズとできることが乖離していると言わざるを得ません。私たちはこの乖離を何とかしたいと思って研究開発を行っております。

一方で先に解説した撥水の良し悪しにて撥水力が高いものが撥水持続性が良い傾向にあることは事実だと思います(というよりは撥水力は低めだが撥水持続性が良いという特性を持たせづらい)。ただし、本来は撥水力と撥水持続力は異なる指標であります。アウトドア向けウェアの撥水に関しては撥水力だけを考えるのではなく、撥水持続力を考える必要があります。

UPDATE2017.02.25
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